Saito Laboratory 埼玉大学 理工学研究科 齋藤研究室

細菌や細胞を認識する特殊なDNAをCEで発見する(齋藤)

一本鎖DNAは分子内結合により様々な立体構造をとることでタンパク質や糖鎖などの様々な生体 高分子を認識でき,これをDNAアプタマーと呼びます。 近年,DNAアプタマーは,抗体に代わる生体認識分子として医療診断,創薬などの生物工学での利用が大きく期待されています。

このテーマでは,キャピラリー電気泳動法(CE)を基盤として,細胞(粒子系)とDNA(分子系)の高度な濃縮-分離-分取を一度に達成することで, 動物細胞・細菌・ウィルスに対して高いアフィニティーを有するDNAアプタマーを数日~一週間以内で確実に獲得(選抜)できる新しい方法論を確立することに挑戦しています。

この方法では,まず,非常に膨大な配列パターンを持つDNAの集合体(プール)とターゲットとなる細菌細胞を混合してDNAを細胞表面に結合させます。 その後,我々の研究室で開発した細胞の分離に適したCE法(高分子増強ーキャピラリー過渡的等速電気泳動法;PectI法)によって,DNA-細胞複合体と結合しなかったDNAを完全に分離し,かつ複合体のピークだけを精密に回収します。そこに含まれる細胞に結合していたDNA(アプタマー)をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法で増幅した後,DNA配列を解析すれば,細胞表面に結合していたDNA配列が判明します。

この方法を用いれば,従来法(SELEX法(in vitro selection法))で1~数ヶ月もかかっていたアプタマー選抜をわずか一回の分離操作で数日~一週間以内に完了できるだけでなく,分離している間にずっと細胞表面に結合し続けていた親和性の高いDNAアプタマーを選抜できると考えています。実際に,このPectI選抜法で大腸菌,酵母,枯草菌などに対して高親和性のDNAアプタマーを獲得することに成功しています。今後は,動物生細胞やウィルスなどに対しても,迅速に高機能なDNAアプタマーを獲得する方法を確立すると共に,細胞表面に発現するターゲット分子に選択的なDNAアプタマーを選抜する手法の確立に挑戦し,様々な分子認識モチーフを探索していく予定です。

参考文献

  • Chemistry - A European Journal, 27, 10058-10067 (2021).
  • Analytical Sciences, 37, 17-26 (2021).
  • Electrophoresis, 41, 1152-1159 (2020).
  • Molecular Therapy - Nucleic Acids, 16, 348-359 (2019).
  • Analyst, 142, 4030-4038 (2017).
  • Chemical Communications, 52, 461-464 (2016).
  • Analytical and Bioanalytical Chemistry, 407, 1527-1532 (2015)
  • Journal of Chromatography A, 1368, 183-189 (2014).
  • 特願2015-51714号.
  • 特願2018-10307号.
  • 特願2018-10307号.

電気泳動法で金属タンパク質を発見する(齋藤)

生体中のタンパク質の約3分の1は金属結合性タンパク質(金属タンパク質)だと言われています。また,金属イオンは多くの疾病に関与しており,生命活動において金属イオンの役割は非常に重要であることが分かってきました。 そこで,「どのタンパク質にどの金属イオンがどれくらい結合しているか」という生体内金属分布に関する情報が重要となります。しかし,タンパク質結合型金属を計測しようとしても,金属タンパク質から金属イオンが解離してしまったり,外部からの汚染金属イオンと試料中の微量なタンパク質結合型金属イオンが混ざってしまったりするため,このような分布情報を得るのは非常に困難でした。

我々は,近年,ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(PAGE)を使って,上記の問題を解決した新規計測法を開発しました。 一つは蛍光プローブを使って,超微量金属イオンを濃縮-分離-定量するPAGE(金属検出PAGE)で,もう一つは汚染金属の影響を完全に排除しつつ, タンパク質から金属イオンの解離を防ぐPAGE(Metal Ion Contaminant Sweeping-Blue Native PAGE, MICS-BN-PAGE)です。 さらに,この二つのPAGEにホロ/アポ変換二次元(HAC 2D-)PAGEという新しい分離法を組み合わせることにより,金属タンパク質を単離でき,かつその金属タンパク質に結合していた金属イオンも検出可能な手法の開発に成功しました。

この方法で血清中の銅イオン分布が,従来広く知られていた銅イオンの分布と大きく異なることが明らかとなりました。これは,我々の方法が従来の方法と比べ,汚染金属や金属解離の影響を受けない方法であったため,分布を正確に計測できたと考えています。 また,フランス国立科学研究センター(CNRS)との共同研究では,紅色非硫黄性光合成細菌Rubrivivax gelatinosusのペリプラズム空間中に存在するCopIタンパク質が銅結合性タンパク質であることを発見し, CopIがこの細菌の銅代謝に深く関与していることを初めて証明しました。今後も様々な生体試料の正確な金属イオン分布を計測できる方法を創り出し,金属と生命との関連を研究していく予定です。

参考文献:

  • Scientific Reports, 9,10566 (2019).
  • Molecules, 24, 1916 (2019).
  • Electrophoresis Letters, 62, s12 (2018).
  • mBio, 6, e1007-15 (2015).
  • Electrophoresis Letters, 58, 24-26 (2014).
  • 化学工業, 66, 21-27 (2015).
  • Analyst, 138, 6097-6105(2013).
  • 特許5145511号
  • 特許第5055595号
  • 特許第4571379号

キャピラリー電気泳動法-レーザー励起蛍光検出法で超微量アクチノイドイオン濃度を測る(齋藤)

当研究室では以前より,高い電場で物質を分離する電気泳動を用いることによって金属イオンを分離検出する技術を開発してきました。 電気泳動法の中でも特に高分離が期待できる方法にキャピラリー電気泳動法(CE)があります。CEは、nLレベルの試料を内径数十μmの溶融シリカ細管中で電気泳動的に空間分離する方法です。 一般にCEは導入試料量が少ないため、濃度感度が低いことが知られていますが、レーザー励起蛍光検出法(LIF)を併用することで蛍光物質を高感度検出できることが知られています。

一方、金属イオンは一般に蛍光物質ではないのでCE-LIFを利用することはできません。 そこで,CE-LIFを用いて金属イオンを計測可能とする新規蛍光性物質(プローブ)を開発しています。 このプローブをCE-LIFに適用することでpMレベルの金属イオンの超高感度分離検出が簡易にできるようになりました。 この様なCE-LIF用の金属検出用蛍光試薬を開発しているのは世界でも当研究室だけです。

最近では,アクチノイドイオン(An)やランタノイドイオン(Ln)といった重金属を超高感度に計測するため,AnおよびLnに適合した蛍光プローブを開発しています。 この技術は,使用済核燃料などの放射線量が高く,大量に扱うことが困難な試料に適した方法として,日本原子力研究開発機構とも共同研究を進めています。

参考文献:

  • Electrophoresis, 41, 1152-1159 (2020).
  • Anal. Chim. Acta, 1032, 188-196 (2018).
  • デコミッショニング技報,55, 22-27 (2017).
  • Analytical Sciences, 30, 773-776 (2014).
  • 特許第5834274号
  • 特許第6028997号
  • 特許第6332669号
  • US Patent, 13/748953.
  • Journal of Chromatography A, 1232, 152-157 (2012).
  • Proceedings of the ASME 14th International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management (ICEM2011), pp1-5 (2012)
  • Analyst, 136, 2697-2705 (2011).
  • 分析化学, 60, 773-784 (2011).
  • Electrophoresis, 14, 2448-2457 (2007).
  • Journal of Chromatography A, 1140,230-235 (2007).
  • Analyst, 132, 237-241 (2007).

キャピラリー電気泳動-レーザー励起蛍光検出法で細菌を測る(齋藤)

キャピラリー電気泳動法(CE)の多くは分子やイオンなどの小さな物質を分離するために開発されてきました。しかし、世界の幾つかの研究グループでは細菌や細胞をCE分離する方法も研究されています。

当研究グループでも細菌の分離検出に挑戦しています。 その際、細胞表面の炭水化物と選択的に結合し、強い発光(蛍光)を示す色素を開発し、この新規色素を使ってCE-レーザー励起蛍光検出法(LIF)で高感度分離検出する方法を開発しました。 この方法は、他の物質からの妨害があまりない長波長(630 nm)の発光を使っており、キャピラリー管内で細菌と反応させるために染色などの前操作がいらない簡便な方法です。 さらに、従来はCE分離の際に、細菌の会合体が出来てしまうために一つの属に対し複数のピークが検出されてしまうことが問題でしたが,高分子の添加と等速電気泳動法の組み合わせによる特殊な濃縮法(polymer-enhanced capillary transient isotachophoresis)を考案し、 一つの属に対し一つのピークが得られ、さらに複数の属に対し分離することに成功しました。現在は、色素とPecTI法の高性能化に挑戦しています。

この研究は、大阪府立大有機機能化学研究グループ(色素合成)および米国Wake Forest大学Colyerグループとの共同で行っています。

参考文献:

  • Analytical Chemistry, 84, 2454-2458 (2012).
  • Sensors, 12, 5420-5431 (2012).
  • Analytical Sciences, 29(1), 157-159 (2013).

生体分子に選択的な発光分子素子を創る(齋藤)



我々は,分離分析法だけでなく,種々の分子を認識する分離モチーフも探索しています。見つけ出した機能性分子はそれだけでも有用ですが,分離系における検出試薬や分離増幅試薬としても応用できるはずです。この様に,自分たちで創り出した分子を分離分析系へ直接応用できることも我々の研究室の利点です。例えば,生体を構成する要素の一つである糖類が連なった糖鎖は,生体内で様々な機能を発現します。一方,糖分子の一つであるアセチルノイラミン酸(シアル酸)は糖鎖の末端に位置し,細胞同士の認識や,がん細胞の表面に多く発現することが知られる非常に重要な糖分子です。そこで,糖鎖を認識する人工分子(レセプター)の開発が期待されています。しかし,シアル酸の有する特徴的な構造を認識できる人工レセプターはほとんど開発されていません。本研究室では二つのアプローチによるシアル酸認識系の開発に成功しています。

一つは,ランタノイド(Ln)イオン錯体による特異的なシアル酸認識系です。従来の糖分子認識人工レセプターは糖分子のcis-ジオールを認識するボロン酸骨格を有するものでした。 しかし我々の開発した人工レセプターでは,中心Lnイオンに配位した水分子の酸解離反応に伴い,シアル酸残基とLn錯体のの水素結合とLnイオンへの配位結合の両方を用いることで,特異的な分子認識に成功しました。この様な緻密な配位空間の制御と多点相互作用による超分子的アプローチによる糖認識は本研究グループのオリジナルなアイデアです。このLn錯体の電気泳動分離系における分離試薬としての応用にも成功しています。

もう一つのアプローチは,スクアリリム色素にボロン酸を修飾した分子(SQ-BA)を用いて長波長(>650 nm)での発光増感を用いて糖分子を認識する手法です。SQ-BA色素は溶液中では会合体を形成してほとんど発光しませんが,種々の糖分子と錯形成すると会合体が解離し,発光性の単量体のSQ-BA-糖分子錯体を生成します。一方,SQ-BAの会合体(二量体)が選択的にシアル酸に結合することを発見しました。そこで,様々な疎水性のSQ-BA分子を合成し,SQ-BA会合体の化学構造を制御したところ,シアル酸に特異的に反応するSQ-BA色素の開発に成功しました。

現在は,この二つのアプローチを拡張して,様々な生体分子を認識可能なプローブの開発と高度分離法への応用に挑戦しています。

参考文献:

  • Analytical Sciences, 31, 1143-1149 (2015).
  • Analytical Chemistry, 87, 1933-1940 (2015).
  • Inorganic Chemistry, 52, 6239-6241 (2013).
  • Chemistry Letters, 38(5), 412-413 (2009).

環境中腐植高分子の超分子構成成分を発見する(齋藤)

近年,我々の金属タンパク質を発見するための新規ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(MICS-PAGE/金属検出PAGE)が環境中腐植高分子であるフミン酸の相互作用を解析することに応用できることを見出しています。フミン酸は土壌の構成成分であり,かつ水に溶け出す不定形の有機高分子の総称ですが,金属イオンと結合し,超分子と言われる巨大分子を形成します。これにより,環境中での金属イオンの動態(保持や拡散など)を左右していることも知られています。しかし,どのような機構でどのくらいの量の金属イオンと結合し,どのような大きさの超分子を形成するかはよく分かっていません。我々はフミン酸を高分離できる新規PAGEと平行因子分析(PARAFAC)と呼ばれる多変量解析的手法を用いれば,フミン酸と金属イオンがどのくらいの大きさの超分子を形成し,それぞれの分子量のフミン酸がどれくらいの金属イオンと結合するのかを計測すること(スペシエーション;化学種同定)が可能となりました。これにより,従来知られていなかったフミン酸の性質が少しずつ明らかとなってきています。この研究テーマは,地球環境を構成する化学成分が実際にどのようなものなのかを明らかにするものであり,また有害重金属イオンの環境での挙動を探る研究テーマでもあります。

現在はフミン酸超分子がどのようなフミン酸小分子ユニットから形成されているのかや,放射性元素であるアクチノイドイオンとフミン酸の相互作用を解析する研究を進めています。

参考文献:

  • Environmental Science & Technology, 53, 14507-14515 (2019).

動的柔軟骨格を持つMOF均一ナノ空間で高度物質認識場を創る(半田)


ナノ空間では,空間内表面と包含物質の相互作用が強まるため,物質がバルクでは見られない未知の性質を発揮することがあります。ナノ空間を提供する物質は,ゼオライト,メソポーラスシリカ,酵素など様々であり, 2000年代になって特に着目されているのが,金属イオンと有機配位子が形成する金属-有機構造体(Metal-organic Framework: MOF)です。これまでに,MOFのナノ空間のサイズや形状を精密に制御して特異な反応性を発現させた研究がいくつも報告されています。我々が特に着目しているMOFの特徴は,均一なナノ空間と骨格の動的柔軟性です。金属イオンと有機配位子の自己組織化は,均一な形状とサイズの空間を規則的に創り出すので,この均一ナノ空間を物質認識場として利用することで,高い選択性の発現を達成できると期待しています。また,MOFの骨格は配位結合で構築されているので,ゼオライトや活性炭では見られないような柔軟性があります。構造変化に伴うエネルギー変化が物質認識に関与すれば,他の系では困難な選択性制御を実現できるかもしれません。

我々はこれまでに,重希土類元素であるYb3+とLu3+にのみ高選択的なMOFでの金属交換反応を見出しました。希土類元素はLa3+からLu3+までのランタノイド15種類とSc3+,Y3+の17種類の元素の総称です。希土類3価イオンの最外殻電子配置は全てs2p6型で同じであるため,化学的性質が類似し,相互に分離することは容易ではありません。現在工業的に利用されている溶媒抽出法では,金属イオンと抽出試薬の錯形成の安定度定数のわずかな差を繰り返し操作によって増幅して分離しています。一方で,我々が見出したMOFでの選択性は隣り合うTm3+とYb3+での選択性が極めて大きいです。これには,MOFの結晶構造と構造変化が関与していると考えています。そのまま分離に適用できるというわけではありませんが,MOF の物質認識特異性を追究することが、高感度・高選択的分析系のブレークスルーに繋がると期待して研究を進めています。

参考文献:

  • Analytical Sciences, accepted.
  • Inorganic Chemistry Communications, 128, 108560-108564 (2021).
  • Chemistry - An Asian Journal, 15, 2653-2659 (2020).
  • Dalton Transaction, 43, 1791-1796 (2014).
  • New Journal of Chemistry, 43, 16566-16571 (2019).

ヌクレオチド超分子ポリマーを合成しその機能性を開拓する(半田)

DNAやRNAは反応性の高い核酸塩基リッチな分子であり,蛋白質や核酸に対する分子認識能を有します。DNAの高次構造形成により水素結合が方向性を持ち,より高度な分子認識が起こることも知られています。DNAを分子認識担体として利用するために,さまざまなDNA固定化が提案されてきました。

我々はこれまで,リン酸エステル配位子とランタノイドイオン(Ln3+)が形成する超分子ポリマー(またはMOF)の研究に取り組んできました。金属イオンと配位子が自己組織化するので,配位子であるリン酸エステルそのものを固体化できます。核酸であるヌクレオチドもリン酸エステルなので,金属イオンとの反応で超分子ポリマーを形成できるはずです。このテーマでは,ヌクレオチドをLn3+などのハードな金属イオンを反応させれば,リン酸基が金属イオンを架橋して,ソフトな配位座である核酸塩基は未反応のまま自己組織化できると着想しました。この方法で超分子化できれば,水素結合フリーな核酸塩基を従来のDNA固定化法よりもずっと高密度に配列させることができます。また,分子認識に重要である水素結合の方向性をより制限することができるはずです。さらに,MOFが創り出すナノ空間ではバルク溶液中とは異なる分子認識が起こることも知られています。

我々は,このような核酸塩基の水素結合サイトを残したヌクレオチドの結晶性超分子ポリマーを創り出し,蛋白質や核酸等に対する高機能な生体分子認識系の構築に繋げることに挑戦しています。他材料とは一線を画し,これまでにない水素結合型分子認識特性を発揮する可能性を秘めていると期待しています。

参考文献:

  • Journal of Physical Chemistry B, 120, 12730−12735 (2016).

ハイドレートクロマトグラフィー:水分子で物質を分離する(半田)

水は究極の環境調和物質です。近年,グリーンケミストリーの観点から環境への負荷が少ない反応プロセスや物質合成法,物質分離法の研究が盛んに行われており,水の利用は最も有力なアプローチの一つです。物質分離の観点で考えてみると,物質分離の典型的な戦略の一つは,2相間での物質移動を利用することです。代表的な方法である抽出では液体―液体,クロマトグラフィーでは液体―固体あるいは気体―固体で2相を利用します。抽出では“混ざり合わない2つの溶液”を使えば良いので,互いに混ざり合わない水溶液を利用することで,水溶液だけの分離系の構築が可能なことが知られています。一方で,固体としての水を利用するのは容易ではありません。水の固体である氷を使うためには,0℃に冷却する必要があるからです。実際に,氷を固定層とする液体クロマトグラフィー(LC)が提案されましたが,0℃以下での温度制御が必要なことが分離法としての最大の問題点といえます。

このテーマでは,融点が10℃以上である氷様の物質,セミクラスレートハイドレート(sHyd)に着目しました。sHydは結晶性包摂水和物であり,ゲスト分子が複数のケージにまたがって包接される物質です。これまでに,代表的なsHydであるTBAB-sHydを固定相とするLCの構築に成功しました。

ハイドレートは次世代エネルギー,冷媒,CO2貯蔵材料などとして,産業利用も期待されています。一方で,TBAB-sHydの表面特性は未だ明らかでない点も多いです。LCは,化合物の吸着挙動の解明を通じて固定相表面の性質を分析する手法ともなりえるので,我々が構築したTBAB-sHyd LCを使って,TBAB-sHydの表面特性を探求することにも挑戦しています。

参考文献:

  • Analytical Sciences, accepted .

共同研究

当研究室は多くの研究者とのコラボレーションも推進しています。私たちにしかできない物質の精密分離法は様々な分野へと波及効果を持っており,分析化学から種々の分野へと研究は広がり,「化学」にとどまらない「科学」への寄与を目指しています。

共同研究先: