工学部 応用化学科

受験生のみなさん

卒業生インタビュー

 

 埼玉大応用化学科を卒業したらどのような職に就き,社会で活躍できるのでしょう?このホームページ内にある就職や進路のページに詳しい情報がありますが,このページでは当学科を卒業して社会で活躍している3名の方(大島さん、川村さん、塩澤さん)のインタビューを掲載しています。卒業生から見た当学科はどのような評価でしょうか?また、卒業生から受験生へのアドバイスなどもありますので、ぜひ参考にして下さい。

 

2012年応用化学コース修了(大学院)
大島 大樹 さん

2010年 工学部 応用化学科卒
2012年 大学院 理工学研究科 化学系専攻 応用化学コース卒
現在 田辺三菱製薬株式会社 CMC本部 分析研究所勤務
修論テーマ 「ポリアクリルアミドゲル電気泳動法を基盤としたタンパク質-金属イオン二次元マッピングシステムの開発」
受験生へのメッセージ

埼玉大学 応用化学科は、学生間の仲がよく大変過ごしやすい環境です。また、真面目な学生が多く、勉学に集中できる環境も整っています。さらに、教職員の方々の面倒見も良く、私も勉学から就職活動まで、大いに助けていただきました。オープンキャンパス等も積極的に開催していますので是非一度見学に行くと良いと思います。

現在のお仕事について教えて下さい。

 今日,有効な治療法がない疾患が世界にはまだ数多く存在しており、その疾患に対する医薬品の研究開発が強く望まれています。これに対し弊社は,このアンメット・メディカル・ニーズに応えるため、多くの新薬の開発に力を入れています。その中で私は,開発段階の新薬(治験薬)の物性把握や、高品質な医薬品を患者さんにお届けするための品質管理方法(分析法)の開発を行っています。

どうして埼玉大応用化学科への入学を選びましたか?

 有機、無機、分析と化学系の知識全般を学ぶことができ、就職の選択肢が広いと考えたためです。
また、国立大学ということもあり、安い学費で充実した教育が受けられることも大きな魅力でした。

応用化学科でどの様な事を学べましたか?

 化学系の企業に就職するための基礎知識は勿論、就職してからも役立つ実践的な知識・経験を積むことができました。

学科での雰囲気,学生生活について教えて下さい。

 学生間の仲がよく、皆で協力して試験を乗り切ったのは良い思い出です。1~3年は座学中心で、授業とサークル活動やアルバイトを両立している学生も多かったと思います。4年生になり、研究室に配属されてからはとにかく研究が忙しくなりましたが、同時に最も充実した期間でもありました。

卒業した後の感想は。

 授業で学んだ知識は就職後も役立つため、1~3年時の授業が如何に大切だったかを今更ながら痛感しています。
ですが、ここでしっかりやっていければ、その後どの大学の学生とも渡り合えると断言できますよ。

就職活動はどうでしたか?

 教職員の方々の手厚いサポートには大いに助けられました。
また、大学が首都圏から近いため、就職活動がしやすかった事も良かった点の一つです。

なぜ大学院への進学を決めましたか?

 専門的な知識を必要とする研究者になるためには、大学院でより深い知識を得る必要があると考えたためです。

大学院の経験について教えてください。

 大学院では、後輩の指導や学会の参加など、研究に限らず様々な経験を積むことができました。
結果、研究者としてだけではなく、人間的にも大きく成長できたと思います。

受験を考えている方に一言。

 大学選びは、自分の将来を左右する大きな選択だと思います。
後悔しないよう、自分が納得するまでよく考え、受験勉強を頑張って下さい。

 

1998年応用化学科卒業(修士)
川村 知栄さん

1998年 応用化学科卒業(修士)
2008年 慶應義塾大学にて博士学位取得
職歴 太陽誘電株式会社に入社し現在に至る
受験生へのメッセージ

化学の恩恵の裏で起こる不利益、不幸も忘れてはいけないと思います。応用化学は、両方をなんとか出来そうな学科だと思います。エネルギー問題、温暖化防止・・・地球を救えるのは、そこのあなたです!

現在のお仕事について教えて下さい。

 誘電体セラミックスの材料開発に携わっています。

大学時代はどんな学生でしたか?

 寝てばかりいました(笑)。学部の3年間は、単位を落とさない最低限の勉強しかしませんでしたので、今になって「○◎先生のあの授業をもう一度受けたい!」と思うことも多々有ります。学業以外ではサークル(テニスやJAZZ研)活動や、大型バイクの免許を取ったり、アルバイトしたりそれなりに充実した学生生活を送っていました。4年生になり研究室に所属してからは、研究室生活や実験が楽しくて、実験漬けの毎日でした。
今考えれば、3年生までは寝てばかりいたのが悔やまれます。もう少し世界に目を向けて、語学力が身につくように短期でも海外留学などにチャレンジすれば良かったと思います。

卒業研究(修士)のテーマは何でしたか?

 「Co担持Al2O3触媒によるα,β-不飽和アルデヒドの選択的水素化反応」です。α,β-不飽和アルコールは工業的にも有用な物質で、不飽和結合を残したままアルデヒドを選択的に水素化できる触媒を合成する事がテーマでした。
私は香料にも使われている2-ヘキセナールを使って実験をしていました。アルデヒド部分だけを選択的に水素化してアルコールにすると、青葉アルコールと呼ばれる香料にも使われているとても良い(?!)香りのするものができるのです。「まさに化学!」と実感しながら実験していました。

博士を取得されていますが、きっかけは?

 きっかけは、共同研究で7年間以上もお世話になった大学の先生に勧めて頂いた事です。1つのテーマを継続して研究させてもらえたのも大きかったと思います。学会発表や、論文投稿もしていたので土台は有ったのですが、お話をいただいて「え、私が? 良いのかな?!」とも思いました。会社でも学位取得を奨励していましたし、ちょうど産休育休のタイミングを利用して論文をまとめることができました。先生方、会社の上司や仲間、家族をはじめ多くの方々に助けていただいて無事取得でき、大変貴重な経験をさせていただいたと感謝しています。

応用化学科を卒業して社会で役に立ったことは何ですか?

 先生方が工夫を凝らした授業をして下さっていました。私の場合、授業そのものより、先生方がポロッとお話してくださるエピソードの方が大好きで、研究の道に進みたい!と強く思うきっかけにもなったと思います。有機化学の授業では、「赤ダニの口紅の話」「アスパルテーム開発秘話」「夢の蛇とベンゼン環の構造の話」等の“余談” を聞いてワクワクしたのを覚えています。純粋に役に立っている事といえば、分析化学や工業物理化学の授業のプリントやノートは今でもたまに見返しています。

女性研究者になるにあたって,苦労したことは?

 研究活動では、「やる気・能力」が重視されますので、苦労は男性と同様かと思います。
当然、女性は少ないですから、すぐに顔を覚えてもらえる、というメリットは有るかもしれません。
また、少なくとも、結婚は仕事に対してマイナスになる事は無く、むしろ相談相手や応援団長が身近に居ると思えば精神的な支えにもなります。出産、育児は確かに時間は取られますが、改めて時間の大切さが分かったというか、決められた時間でいかに成果をあげるか、効率を高める工夫を常にするようになったのでむしろ内容は充実していると思います。

大学時代に学んでおくべきことは何だと思いますか?

 大学時代の研究テーマと社会に出てからの研究テーマが同じ、という人は少ないと思いますので、課題解決に必要な最低限の知識・行動が身につけば良いと思います。目標に対しての課題設定が適切か、何を調べればよいか、誰に聞けば分かるか、どういう行動をとったら良いか。。。 このあたりは学部の授業や、研究室生活で身につくと思います。
それから、一人で出来る事は限られていますが、チームなら一人ではとうてい出来ない大きな仕事も出来るんです。しかし、チームならではの課題も有りますので、いろんな人と出合って、人付き合いの経験値を高めておくと良いと思います。そういう意味では、埼玉大学は多くの学部が一箇所に集まっているので、サークル活動等を通して、自分とは違う考え方を持つ人と比較的簡単にかつ多く触れ合えると思います。バイトなどでは、異なる年齢層の人とも出会えますよね。

現在の夢はなんですか?

 「生涯現役」を目指して、新しい技術~考え方を常に取り入れつつ豊富(?)な経験と融合させて、継続して成果を出せるような技術者になりたいです。
「近頃の若いモンは...」なんて決して言いません!

応用化学の学生、入学を考えている学生にメッセージをお願いします。

 人類の生活に、化学製品って溢れてますよね。化学が無ければ、現代生活は成り立たないです。一方で、社会科で繰り返し習った公害問題や環境破壊、原発事故の放射能汚染など、化学の恩恵の裏で起こる不利益、不幸も忘れてはいけないと思います。応用化学は、両方をなんとか出来そうな学科だと思います。
他の大学の研究事情をいくつか垣間見ての印象ですが、「装置が混んでいるから」という理由で、卒業研究でも限られた測定しか出来ない、という所は多いようです。埼玉大は有名大学にも引けをとらない高性能な分析設備が比較的自由に使えて恵まれていたな、と感じました。自分のやる気さえ有れば、どんどん研究を進めることが出来ます。社会に出てからは、有名大学出身者と肩を並べてバリバリ仕事をする事ができますよ。
エネルギー問題、温暖化防止・・・地球を救えるのは、そこのあなたです!

1981年応用化学コース修了(大学院)
塩澤 寿夫 さん

1979年 応用化学科卒業
1981年 修士修了
職歴

1981年 東洋曹達工業株式会社(東ソー株式会社)入社
1984年 中村合同特許法律事務所入所
1985年 弁理士登録
1989年 塩澤特許事務所設立
2002年 特許業務法人特許事務所サイクス設立(共同代表社員)

受験生へのメッセージ

自分のやりたいことをしっかり見据えて、見えたらそこに向かって継続的に歩を進めること。人生を楽しむこと(つらいと思うか、楽しいと思うかは本人次第)。

現在のお仕事について教えて下さい。

 弁理士です。特許事務所を経営しています。知財に関係する仕事です。
化学、バイオ分野の特許の権利化及び権利活用に関する業務を行っています。
クライアント(お客様)は、技術系の企業や大学、公的研究機関などです。
海外との取引も多く、1日の内、平均すると半分程度は英語の書面を相手にしています。海外からのお客様も多いですし、海外出張もあります。
数は多くないですが、特許関係の訴訟の代理人としての活動もあります。

大学時代はどんな学生でしたか?

 勉強半分(以下?)、サークル活動(Jazz研、ゲレンデスキー同好会)半分でしょうか。学部での勉強が足りなかったので、修士まで行って帳尻を合わせました。

大学で講義をされていますが、昔の学生と今の学生の違い、変わらないところなど教えてください。

 両者の違いが分かるほど、学生さんに直にコンタクトしていませんので何とも言えませんが、今の学生さんの方が真面目じゃないですか。真面目一辺倒が良いとは思いませんが。少なくとも授業料は、私のころと比べると20倍弱高くなっていますので、学生本人が出しているかは分かりませんが、投資を回収する必要性は今の方が高いでしょうね。

卒業研究(修士)のテーマは何でしたか?

 卒業研究のテーマは錫の電解析出でした。修士のテーマは、葉緑体を用いた光電池でした。両方とも、電気化学がベースです。前者は電解(外から電気をかける)で、後者は電池(内部から電気が生じる)の違いはありますが。卒研のときは体を動かすことを覚え、修士のときは頭を働かせることを覚えました。卒論、修論ともに手書きでしたから、それが大変でした。今は、その苦労はないですね。

応用化学科を卒業して社会で役に立ったことは何ですか?

 門前の小僧よろしく、化学に対するアレルギーはありませんし、考えることを会得して修士を修了しましたので、会社(化学会社)へ入社して、研究開発をするに際して不便はなかったですね。少なくとも基礎知識はあり、物事は理解できたという意味です。
修士を修了して3年後に会社をやめて、弁理士試験の勉強を始めましたが、そのときは、弁理士試験の選択科目として、物理化学、無機化学、製造工業科学の3科目を選択し、これらの勉強の際には、応用化学科の学部と修士の6年間でやった勉強は役に経ちました。勉強した内容は殆ど覚えていませんでしたが、何を勉強すべきか、ある程度の目安が立ちましたし、弁理士試験の勉強中に、学生時代に教えていただいた先生方の顔が浮かんだこともありました。学生時代に理解できなかったことをなるほど、と思えた瞬間もありました。実際の製造工業科学の試験では、山が当たったことも良く覚えています。

弁理士になるきっかけは?

 会社時代は、研究、開発を担当しており、発明者として弁理士と接触する機会が多々ありました。会社の仕事も面白かったのですが、長い目で見ると、技術と法律(特許法など)の両方を駆使できる人材はレアですので、人生設計として正解かなと思いました。弁理士になると、自分ではとてもできないすばらしい発明にいの一番に出会えるという特権もあります(当然その時点では守秘義務もありますが)。私の受験時代(1984、85年)は、弁理士試験の合格者数は100名弱で、合格率も2~3%程度と難関でしたが、若気の至りも有って、会社も辞めてチャレンジしました。背水の陣でした。

大学時代に学んでおくべきことは何だと思いますか?

 基礎的知識と考え方ですかね。好きな分野を見つけて勉強するもの良いと思います。本での勉強だけではなく、現物、現場を見る機会を作るべきだと思います。勉強したことがどのように役立つのかイメージできます。そのような機会を作るのは、大学側の仕事ですかね。勉強するモチベーションは大いに上るはずです。私が修士のときに、応化の同級生でその後ノーベル賞を受賞された白川先生の指導を東工大の修士で受けていた友人がいて、白川先生は東工大から筑波大に移られた時期でしたので、筑波大の白川研究室を見学させていただき、電導性のポリアセチレンの現物を見せていただいたことがあります。金属光沢であったことは今でも覚えています。電池化学をやっていたので、電導性の材料にも興味があったので、個人的な伝で見学の機会を得ました。

現在の夢はなんですか?

 jazzのウッドベースプレイヤーとして、勿論アマチュアレベルですが、一人前になることです。そのために、学生時代のように時間がたっぷりある訳ではないので、忙しい時間の間隙を縫って、学生時代にできなかった基礎からの練習を先生について行っています。夢を実現するという体験は弁理士試験のときにしていますので、それに習ってコツコツとやっています。jazzの場合はセッションといって過去に一緒にやったことがないメンバーともその場で演奏できるという利点があり、老若男女プロアマを問わず色々な方々と共演でき面白いです。