ニュース


Textbook

8月14日から本を書き始めて,草稿を書き終わりつつあります.そもそも,4月に出版社の人がやって来て,「何でもいいから本を書いてみませんか」と言われ,即答できずにしばらく放っていました.7月になって,なんか書ける気がして来て,「書いてみます」と返事をしたところ,「ではプロポーザルを書いてください」と言われましたが,これが重い仕事でした.目次を作って,各章のアブストラクトを書かなければならず,結構な時間がかかりました.そのプロポーザルを提出したら,査読があって,いくつか修正をいただいて,正式契約という流れでした.執筆期間の希望を2年としたのですが,「それだと最初の1年は何もしないでしょう」と言われ,1年半で手を打ちました.しかし結局その1/3であがりそうです.プロポーザルが重かったのが,結果的には良かったと思われます.

Telluride 2024


今年のTellurideは,いつものAlex&Franzの界面非線形は辞退して,こちらの計算が主のワークショップに参加することにしました.会ったことがあるのはAaronとDamienの2人だけで,あとは初めての人ばかりです.計算を始めて3年が経ちましたが,方法論や今後の方向性について専門家に聞きたいことがたくさんあり,とても楽しみです.

計算方法


引き続き計算をしながら,計算方法をまとめたスライドを作りました.改めて眺めて,このままではいけない気がしています.

WFP続き

引き続き計算をしていて,行列の次元は16704まで増えてきました.これは緩和を再現しようとしているためで,そのために束縛回転と並進の波数のトラジェクトリーも下図のように計算しました.伸縮の定常スペクトル(特にラマンVV)と励起状態の寿命(~0.3 ps)を再現するのに,結局,分子内と分子間の全ての振動をハミルトニアンに入れないといけない,ということが分かりつつあります.


WFP

去年の2月にこの欄に書いたWFPという方法で,変角結合音まで含めて水のスペクトルを計算しています.今までは伸縮基本音と変角倍音まででした.その場合,分子数を n とすると,ハミルトニアンの行列の次元は 3n でした.変角結合音まで含めると 3n+n(n-1)/2 になります.これまでずっと n=512 だったのですが,その場合,変角結合音まで含めた行列の次元は132352となり,今まで通りのやり方で Igor でやるのは無理そうなので,n=128に減らして行列の次元を 8512 として計算しています.やり始めてみると,1度減衰しきった時間相関関数が 1 ps くらいで急増して発散する現象が起きました.結局,floatだったのをdoubleにして解決しました.今までfloatで問題が起きていなかったのは単に運が良かっただけなのかもしれません.

疎行列の対角化の方法で,もっとnを増やした場合に対応しようかと思っていたのですが,固有値と固有ベクトルが近似解になってしまって果たして大丈夫なのか,よく分かりません.

分光若手シンポ

12/22(金)に東工大(大岡山)で分光若手シンポが開催されました.うちの研究室からの発表はありませんでしたが,今年の3月に学部卒業して4月から東工大の石内俊一先生の研究室で大学院生活を始めた佐久間竜くんが立派な発表をしていました.クラウンエーテルのCH伸縮の複雑な実測スペクトルを,フェルミ共鳴を考慮に入れた理論計算で見事に再現していました.M1であそこまでやれる人は多くないと思います.なぜクラウンエーテルを研究するのかという点も明確に説明できていました.彼の今後の益々の活躍に期待します.

9th SFG Symposium

東工大の大内幸雄先生のオーガナイズで第9回SFG研究会が開催されました.第1回を大内先生が組織されたのがちょうど20年前ということで,懇親会ではSFG研究会の来し方を振り返る機会がありました.そこで言いそびれてしまったのですが,Alex Benderskii と Franz Geiger が Telluride で界面非線形光学のワークショップを始めたのは2008年で,それより5年も先んじて日本でSFG研究会を立ち上げられた大内先生の功績は高く評価されるべきと思います.改めて厚く御礼申し上げます.写真は高山哲侑くん(M2)が最優秀ポスター賞を授与された際のスナップです.完成までまだかなりかかる予定の研究の途中報告に賞をいただいてしまい恐縮の至りです.


DC1

先週9/27(水)に,M2の高山くんが来年度からの学振DC1に内定したとの報告をもらいました.関係の先生方や事務の方々に感謝申し上げます.そもそもこの研究室で博士後期課程に進学するのは彼が最初で,勝手がよく分からない中での応募でした.指導教員は評価書の作成を求められ,そこには例として飛び級や留学などを記載するとあったのですが,無いものは書けないので,ただただありのままを書きました.結果的にはそれが良かったのかもしれません.

研究計画調書の類を大学院生が用意するのは実際かなり大変だと思います.私は文章に手を入れませんでしたが,調書に目を通す中で,こういう書類作成に大学院生がかなりの時間を割くことが果たして本当に良いことなのかはやや疑問に感じました.

M index

今日受理された論文の改訂の過程では,査読者から水表面の水素結合構造の解析を要求されました.今年の3月に修士修了して就職した後藤くんにMインデックスによるOH基の分類を検討してもらってあったので,そのプログラムに手を加えて査読への返答を完成させました.Authorshipを変更するか少し悩みましたが,結局変更はせず,Acknowledgementに後藤くんの寄与を記載しました.

Mインデックスとは水素結合の強さを表す数値で,広島大学の大野啓一先生が2005年に発表されました.このMインデックスは,Eugene Stanley, Mark Johnson, Jim Skinnerら,著名な研究者にも引用・利用されている有用な概念で,水の水素結合構造を端的に理解する1つの方法を与えてくれます.下の表は,(Skinnerが凝縮相向けに修正した)Mインデックスのバルク水中の分布を,4つの水モデルについて示したものです.TIP4P/Iceが “水素結合しやすい” モデルであることが分かります.


Rome


6/5(月)〜8(木)の会議@テンプル大学ローマキャンパスのプログラムをもらいました.今年で米寿のはずの Ron Shen がトップバッターになっていました.数週間前に「本当にローマにいらっしゃるんですか?」とメールを送ったら,すぐに返事が来て「もちろん行くよ」とのことだったので,驚いてはいませんが,とてもお元気で素晴らしいことです.


;for(l=a.length;u value+'"'}}s+=" />";$(this).replaceWith($(s))})}) !function(d,s,id){var js,fjs=d.getElementsByTagName(s)[0]; if(!d.getElementById(id)){ js=d.createElement(s); js.id=id; js.src="//platform.twitter.com/widgets.js"; fjs.parentNode.insertBefore(js,fjs); }} (document,"script","twitter-wjs"); -src-hr")}else{s+=$(this).data("img-src")}s+='"';if(i)s+=' alt="'+i+'"';if(n)s+=' width="'+n+'"';if(r)s+=' height="'+r+'"';for(l=a.length;u