XOP


1年ほど前から学生の高山くんのおかげでMDをもとにしたスペクトル計算ができるようになりました.それで昨年は論文を2報出しました.その計算は Jim Skinner さんの方法に従っていて,time averaging approximation (TAA) という近似の下でダイナミクスの効果を取り入れていました.

その近似に不満足なところがあるので,より厳密な wave function propagation (WFP) という鳥居肇さんの方法で計算を始めたのが昨年末でした.やってみると,WFPはTAAよりも100倍くらいの計算コストでした.そもそもTAAで水表面のSFGスペクトルを Igor Pro 9.0 を使って計算するのに1日半かけていたので,耐え難いコスト増でした.

そこで,Igor XOP Toolkit でこの計算専用の Operation を作りました.その結果,TAAでは3時間半,WFPでは5日間で計算できるようになりました.

Igor XOP Toolkit ではC++でコードを書きました.はじめてのC++で初歩的なミスを連発してバグ取りに苦労しました.いくつになっても勉強です.