M index

今日受理された論文の改訂の過程では,査読者から水表面の水素結合構造の解析を要求されました.今年の3月に修士修了して就職した後藤くんにMインデックスによるOH基の分類を検討してもらってあったので,そのプログラムに手を加えて査読への返答を完成させました.Authorshipを変更するか少し悩みましたが,結局変更はせず,Acknowledgementに後藤くんの寄与を記載しました.

Mインデックスとは水素結合の強さを表す数値で,広島大学の大野啓一先生が2005年に発表されました.このMインデックスは,Eugene Stanley, Mark Johnson, Jim Skinnerら,著名な研究者にも引用・利用されている有用な概念で,水の水素結合構造を端的に理解する1つの方法を与えてくれます.下の表は,(Skinnerが凝縮相向けに修正した)Mインデックスのバルク水中の分布を,4つの水モデルについて示したものです.TIP4P/Iceが “水素結合しやすい” モデルであることが分かります.