WFP

去年の2月にこの欄に書いたWFPという方法で,変角結合音まで含めて水のスペクトルを計算しています.今までは伸縮基本音と変角倍音まででした.その場合,分子数を n とすると,ハミルトニアンの行列の次元は 3n でした.変角結合音まで含めると 3n+n(n-1)/2 になります.これまでずっと n=512 だったのですが,その場合,変角結合音まで含めた行列の次元は132352となり,今まで通りのやり方で Igor でやるのは無理そうなので,n=128に減らして行列の次元を 8512 として計算しています.やり始めてみると,1度減衰しきった時間相関関数が 1 ps くらいで急増して発散する現象が起きました.結局,floatだったのをdoubleにして解決しました.今までfloatで問題が起きていなかったのは単に運が良かっただけなのかもしれません.

疎行列の対角化の方法で,もっとnを増やした場合に対応しようかと思っていたのですが,固有値と固有ベクトルが近似解になってしまって果たして大丈夫なのか,よく分かりません.